カメラ
カメラ

手ぶれ補正◯段分って何?カメラの手ぶれ補正の段数について解説します

手ぶれ補正とは、読んで字の如く『手ぶれを補正』するための機能です。

では、手ぶれ補正機能のスペックでよく見る『手ぶれ補正◯段分』というのはどういう意味なのでしょうか?

おそらく◯段分の数字が大きい方が手ぶれ補正がよく効くんだろうな、というのは予想できると思うのですが、本記事ではその具体的な考え方についてまとめました。

カメラの手ぶれ補正の段数について知りたい方は参考にしてみてください。

カメラの手ぶれの原因

手ぶれしてしまう原因はシンプルで、シャッタースピードが遅いからです。

手持ち撮影の場合、シャッタースピードが遅いと光を取り込んでいる間にカメラが揺れてしまい、結果的にシャープさが足りない手ぶれした写真になってしまいします。

手ぶれを抑えるにはシャッタースピードを早くすれば良いのですが、暗いシチュエーションだったりシャッタースピードを遅くして躍動感を表現したいなど、一概にシャッタースピードを早くすればOKというものではありません。

そこで活躍するのがカメラの手ぶれ補正という事になります。

カメラの『段』とは?

カメラ用語で『段』と言えば、光の量を相対的に表したもので、ある基準点から光の量が2倍(もしくは半分)になることを『1段』と言います。

言葉で説明してもわかりづらいと思うので、具体的な数値で見てみます。

下の表はシャッタースピードの設定の変化を表したもので、1つ隣に設定値が移動する事を『1段』と言います。2つ隣に移動すれば『2段』ですね。

シャッタースピード(秒)
11/21/41/81/151/301/601/1251/2501/5001/1000

例としてシャッタースピードが1/60秒(赤いセル)の時を基準に考えてみると、黄色いセルに設定値を変更した場合『1段』、青いセルに設定値を変更した場合『2段』と表されます。

この『段』という表現はEV値と密接に関わっています。

『EV値』について詳しく知りたい方は、コチラの記事↓も確認してみてください。

手ぶれ補正◯段分が意味するもの

この『段』というカメラ用語を使って、手ぶれ補正の強さを表したものが『手ぶれ補正◯段分』という表現になります。

例えばあるシチュエーションで、手ぶれしないで撮影できるシャッタースピードが『1/50秒』だったとします。(手ぶれしないシャッタースピードの目安は35mm換算で『1/焦点距離』秒と言われています)

この時、手ぶれ補正4段分のカメラを使用すると、手ぶれせずに撮影できる限界のシャッタースピードはどのようになるでしょうか?

先程のシャッタースピードの表をもう一度見ながら考えてみます。

シャッタースピード(秒)
11/21/41/81/151/301/601/1251/2501/5001/1000

『1/50』というのは表中に無いので、近似値である『1/60』を基準に考えてみると、4段分は左にセル4つ分という事ですから、『1/4』という事になります。(厳密に言えば、1/50秒の4段分は約1/3秒という事になりますが、1/4秒よりも遅いシャッタースピードなので、1/4秒で手ぶれしないと考えてしまっても差し支えないと考えます)

つまり、手ぶれ補正4段分のカメラを使えば、通常は1/60秒が手ぶれしないシャッタースピードの限界だったのが、1/4秒にしても手ぶれしないで撮影できますよ、という事です。

絞り値と手ぶれ補正の関係

今までシャッタースピードについて説明してきましたが、絞り値でも考え方は同じです。

絞り値
F1.0F1.4F2.0FF2.8F4.0F5.6F8.0F11F16F22F32

例として絞り値がF5.6(赤いセル)の時を基準に考えてみると、黄色いセルに設定値を変更した場合『1段』、青いセルに設定値を変更した場合『2段』と表されます。

では先ほどと同様、手ぶれ補正4段分のカメラを使用すると、手ぶれせずに撮影できる限界のF値はどのようになるでしょうか?

F値4段分は右にセル4つ分ですから『F22』となります。つまり、F22まで絞っても手ぶれせずに撮影できますよ、という事です。

ここで疑問が生じた方もいると思います。

「冒頭で手ぶれの原因はシャッタースピードと言っていたけど、F値はシャッタースピードと関係ないのでは?」と。

はい、そのとおりです。

ただし、F値はシャッタースピードと直接の関係はありませんが『絞り優先モード』の場合、F値を変えると自動的にシャッタースピードも変わります。

つまり、F値を変える=シャッタースピードを変えるのと同義という事になります。

もちろん、マニュアルモードでF値のみを変えるような場合、シャッタースピードは変わらないので、手ぶれ補正には影響しません。(露出が暗くなるだけです)

もう一つの手ぶれ補正に関する大事な要素『◯軸』について

手ぶれ補正の『◯段分』とよく一緒に出てくるのが『◯軸』という表現です。『5軸・5段分の補正効果』などと言ったりします。

これが何かというと、どの向きの手ぶれに対応しているかという事で、対応している軸以外で発生した手ぶれについては、補正効果が効かない事になります。

http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/k-1-2/feature/03.html(PENTAX K-3 IIの例)

最近のボディ内手ぶれ補正を内蔵したカメラであれば、5軸が標準になっていますが、ボディ内手ぶれ補正が無くレンズ内手ぶれ補正のみの場合は、その方向への手ぶれが発生しない様に気をつける必要があります。

まとめ:手ぶれ補正◯段分って何?カメラの手ぶれ補正の段数について解説します

最後にまとめです。

  • 手ぶれはシャッタースピードが遅い事によって起きる
  • カメラ用語の『段』とは、光の量を相対的に表したものである
  • 手ぶれ補正◯段分とは、シャッタースピードを◯段分遅くできるという事
  • ◯軸とは補正が可能な手ぶれの方向を示している

という事で、この記事では手ぶれ補正について説明しました。

カメラによってはレンズと組み合わせて7.5段分の手ぶれ補正なんていうのもあります。(1/60秒が適正露出の場合、シャッタースピードを約3秒にしても大丈夫という事です)

これはあくまでもメーカーの公称値であり、環境や撮影者の経験などでも変わってくるので、100%信頼する事はできませんが、ある程度の参考にはできると思います。

カメラのスペックで『◯軸・◯段分の補正』といった表記が出てきたら、この記事を思い出してみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました